酒田雛街道「雛を彩るお菓子」ミニ図鑑

酒田雛街道

かつて江戸や大坂との交易でたいそう賑わった湊町酒田には、由緒ある雛人形が数多く残され、大切に保管されてきました。
早春のこの時期、これらのお雛様を市内の観光施設で一斉に展示します。
展示品には他にも、古くから地元に伝わる愛らしい土人形「鵜渡川原(うどがわら)人形」や傘福などもあります。
市内の旧家や商店などでも代々伝わる雛人形や創作人形のほか、珍しい品、懐かしい品を展示して、ひなまつりを華やかに盛り上げます。

「雛を彩るお菓子」ミニ図録

酒田市立資料館第185回企画展「雛を彩るお菓子」解説より

豆知識「雛菓子のモチーフについて」

雛菓子は様々な果物・縁起物がかたどられていますが、一体どんな意味を持つのでしょうか。一部をご紹介します。

たい 祝い事には欠かせない赤い色の魚。
もともと本物の鯛を飾っていましたが、冷蔵庫が無い時代はすぐに悪くなってしまうので、
代わりとしてお菓子で作られた鯛を飾るようになったそうです。
全国各地で祝い事の際には鯛のお菓子が作られています。
中国原産で、邪気をはらう果物・不老長寿の果物と考えられています。
「桃の節句」という言い方も、桃の花が咲く頃だからです。
バナナ 昭和中ごろまでは「高級品」だったため。
たけのこ 育ちの早い竹のようにすくすくと育つように。
きゅうり 夏の野菜ですが、暑い体温を下げてくれる事から作られるようです。
また、酒田の伝承野菜「鵜渡川原きゅうり」をモチーフにしている場合もあります。
かぶ 鶴岡地域の雛菓子にはカブが入っているものが多く、伝承野菜の「温海かぶら」をモチーフにしています。
また、「蕪」は古来「頭」を意味しており、トップを目指すようにという意味もあります。
はまぐり はまぐりの貝殻は、別の貝殻とは合うことが無い為、夫婦円満の象徴とされます。
菓子以外には「貝あわせ」が雛道具(貴族の嫁入り道具)として並べられます。
なす 願望を「成す」の言葉から。

このように、モチーフには子供の成長や成功を願う意味が込められています。
各店舗によって内容が違いますので、見比べてみましょう。

酒田市立資料館|酒田市公式サイト

酒田雛街道企画展[2月中旬から4月初旬]
企画展では、お雛様の歴史や飾り方、鑑賞のポイントを詳しく、やさしく解説します。
知っているようで知らなかったお雛様の豆知識も紹介します。
ご家庭でお雛様を飾る際にお役立ていただいたり、お人形の役割や道具の由来について、話に花を咲かせていただければと思います。

酒田市立資料館
〒998-0046 酒田市一番町8番16号
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